【とある日のmonologue #8】私が愛用しているボールペンとノートの話
更新日 : 2025年9月25日
皆さんの周りも、そうかもしれません。大学の講義では、ノートPCでカタカタとタイピングする音が響き、スケジュール管理はスマホのアプリが当たり前。そんなデジタル全盛の時代です。
もちろん、私もPCやスマホの便利さには、毎日助けられています。でも、どれだけ時代が進んでも、どうしてもやめられない、いえむしろ、だからこそ大切にしたい習慣があるんです。それが、お気に入りのノートとボールペンで、自分の手で「書く」という行為です。
今日は、そんな私のささやかな文房具へのこだわりと、「書く」という行為が持つ不思議な力について、少し話してみたいと思います。
私の相棒たち ジェットストリームと高橋書店の手帳
私がもう何年も、他のペンに浮気することなく使い続けているボールペンがあります。それは、三菱鉛筆の「ジェットストリーム」です。知っている方も多いですよね。
あの、紙の上を滑るように、どこまでも抵抗のない書き心地。頭の中に浮かんだアイデアが、思考のスピードを落とさずに、そのまま文字になっていく感覚。あれが、たまらなく好きなんです。
そして、その相棒となるノートは、高橋書店というメーカーの手帳です。通年販売してますが年度に合わせて変えていますね。少しだけ贅沢なノートですが、まるでシルクのような、滑らかな紙質が、ジェットストリームのインクと最高の相性なんです。毎日思ったことをこの手帳に書き留めていて、このノートを開く瞬間は、これから自分の思考と向き合うぞ、という一種の”儀式”のようになっています。
なぜわざわざ「手で書く」のか
「PCで打った方が、速いし、綺麗で、効率的なのに、なぜわざわざ?」と、思われるかもしれません。でも、私にはこのアナログな行為にしか得られない、大切な価値があるように感じるのです。
よく言われることですが、手で文字を書くという行為は、タイピングよりも、脳の多くの領域を活性化させるそうです。文字の形を思い出し、指先の筋肉を繊細に動かす。その一連のプロセスが、思考を整理し、記憶に定着させる手助けをしてくれる。私自身、PCで議事録を取るよりも、手でメモを取った会議の方が、内容をずっと鮮明に覚えているという経験が何度もあります。
そして、もう一つ。手書きのノートって綺麗じゃないんですよね。書き間違えたら、二重線で消すしかない。後から、考えが変わって、矢印で文章を繋ぎ足したりもする。でも、その”ぐちゃぐちゃ”こそが、思考の”迷い”や”発展”の軌跡そのものなんです。綺麗に整えられたデジタルのテキストにはない、生々しい思考のプロセスが、そこには記録されている。後から見返した時に、それがまた、新しいアイデアのヒントになったりするんです。
デジタルツールは、間違いなく、私たちの勉強や仕事を、効率的にしてくれます。それは、素晴らしいことです。
でも、そんな時代だからこそ、時には、ゆっくりと鉛筆を削り、お気に入りのノートを開いて、自分の思考と、じっくり向き合う時間を持ってみるのも、いいものじゃないかな、と私は思います。
効率やスピードだけじゃない。そのプロセスの中にこそ、学びの本質や、豊かさが隠れている。そんな気がして、私は今日も愛用のボールペンを、ポケットに忍ばせているんです。