どうしてもやる気が出ない日、どうしてる?「何もしない」を肯定する勇気
更新日 : 2025年9月19日
今日はすごく真面目でいつも一生懸命な君にこそ、聞いてほしい話があります。
毎日計画通りに、全力で頑張り続ける。それが理想だと僕たちは教えられてきたし、君自身もそうあるべきだと、自分に言い聞かせているんじゃないでしょうか。
でも、人間ってそんなに強くない。どうしても心が鉛のように重くて、全くやる気が出ない日。参考書を開くことすら億劫に感じる日。そんな日が必ず訪れますよね。
罪悪感と焦りに苛まれながら、無理やり机に向かう。でも、結局何も頭に入ってこない…
そんな君に僕から一つの「処方箋」を提案させてください。それは、「何もしない」ことを肯定する勇気を持つということです。
君の「やる気が出ない」は、”心のSOS”かもしれない
まず一番に伝えたいこと。それは「やる気が出ない」のは、君の意志が弱いからでも、怠けているからでもないということです。
それは君の心と体が、「おい、このままだと、エネルギー切れでぶっ倒れるぞ!」と、悲鳴を上げて送ってきている、極めて正常で重要な”SOSサイン”なんです。
スマートフォンのバッテリーが、残り5%になったら、どうしますか?「気合が足りない!」なんて言って無理やり使い続けますか?しないですよね。すぐに充電器に繋いで、エネルギーが回復するまで、そっと休ませてあげるはずです。
君の心と体も、全く同じです。エネルギーが空っぽの状態で、根性論だけで走り続けようとすれば、いつか必ず心が”故障”してしまいます。そして一度深く心が疲弊してしまうと回復するまでには、一日休むのとは比べ物にならないくらい、長い時間が必要になってしまうんです。
「休む」は、”戦略的撤退”である
「でも、休んでいる間に、ライバルに差をつけられてしまう…」
その気持ち、痛いほど分かります。でも考えてみてください。F1のレースで、ピットインせずに走り続けるマシンは絶対に優勝できません。タイヤがすり減り、燃料も尽きて、必ず途中でリタイアしてしまいます。勝つマシンは、必ず計算されたタイミングでピットインし、タイヤを交換し、燃料を補給します。
受験勉強における「休む」という行為はこれと全く同じ、長期的な勝利のための、極めて重要な”戦略的撤退”なんです。
心がSOSを出している日に、無理やり3時間非効率な勉強をする。その結果、翌日も、その次の日も、疲れを引きずって、パフォーマンスが上がらない。それよりも、SOSが出たその日に、思い切って完全に休んで、心と体のエネルギーを100%まで回復させる。そして、翌日から、再びフレッシュな状態で、質の高い3時間を過ごす。長期的に見て、どちらが”合格”に近いか、もう、分かりますよね。
”最高の休み方”を、知っておこう
じゃあ、どう休むのが正解なのか。僕が思う”最高の休み方”は、「自分を責めずに、罪悪感なく、堂々と休む」ことです。
「ああ、休んじゃってるな…」と思いながらダラダラ過ごす1日は、全く回復に繋がりません。そうじゃなくて、「よし今日は明日の自分のために全力で休むぞ!」と、目的意識を持って、休むんです。
- 勉強のことは、一切考えないと決める。
- スマホで、好きな動画を心ゆくまで見る。
- お風呂にゆっくり浸かる。
- いつもより、1時間長く寝る。
何をしたっていいんです。大事なのは、その時間を「これは、未来の自分のための、必要な”充電”なんだ」と自分自身で肯定してあげることです。
受験は本当に長い戦いです。毎日100%の力で走り続けることなんて、誰にもできません。必ずエネルギーが切れる日が来ます。
その時に自分を責めるのではなく、「よく頑張ってるね。今日はゆっくり休もう」と、自分自身の一番の味方になって優しく声をかけてあげてください。
上手に休むこと。それもまた、受験を勝ち抜くためのすごく大切な”才能”の一つだと、僕は信じています。