【藤沢校】理科の二科目、どれを選ぶ?
更新日 : 2025年10月26日
理系を志す高校生なら、大学入試で理科を二科目選ぶことになる。
考えられる組み合わせは次の三つ。
- 物理+化学
- 化学+生物
- 物理+生物
この中で、最も危険なのが「物理+生物」だ。
なぜこの組み合わせがドボンなのか、学問の階層構造から整理してみよう。
1. 各科目の「階層性」を理解する
理科三科目は、同じ理科でも、扱うレイヤー(階層)が違う。
- 物理 … 自然現象の最も基礎にある「法則」や「モデル」を扱う
- 化学 … 物理の法則をベースに、物質レベルでの変化を扱う
- 生物 … 化学的変化の集合体としての「生命現象」を扱う
つまり、物理→化学→生物という縦の階層が存在する。
上に行くほど対象が複雑になり、下に行くほど抽象度が高くなる。
2. 物理・化学が相性抜群な理由
物理と化学は「下層→中層」の関係にある。
物理で学んだエネルギー・運動・電磁気の概念が、そのまま化学の理論分野(エネルギー変化・反応速度・電子配置など)に活きる。
さらに、どちらも数学的処理力が求められる科目であり、思考の方向性が似ている。
数式・グラフ・比例関係を駆使して現象を整理する訓練が、共通して得点力を支える。
このペアを選ぶと、学びの方向性に一貫性があり、学力が縦に積み上がる形になる。
3. 化学・生物が「現実的に安定」な理由
生物と化学も悪くない。
どちらも「物質・分子」を軸に考えるため、内容的な接続がある。
ただし、数学的思考よりも暗記・整理の要素が強くなる。
医療系や農学系を志すならこの組み合わせが王道。
ただし、範囲が膨大なので、早い段階で科目のバランスを整える努力が必要になる。
4. 物理・生物がドボンな理由
物理と生物は、学問としての階層がかけ離れている。
物理は抽象的な法則を扱い、数式を通して世界を単純化して理解する。
一方、生物はその真逆。
個体・器官・細胞といった「複雑な現象」を、化学反応や遺伝の流れとして整理する。
つまり、頭の使い方がまったく違う。
物理で鍛えた抽象思考を、生物の暗記型学習にそのまま応用することはできない。
逆もまた然り。
結果として、二科目を並行して勉強する際にリズムが合わず、
時間も労力も倍以上かかる。
5. 目的から逆算して決めよう
- 工学・理学系 → 物理+化学
- 医学・薬学・農学系 → 化学+生物
- 環境・心理・情報系 → 化学中心+補助で選択
どんな組み合わせでも、最終的には「どの層で勝負したいか」で決まる。
根本の法則を突き詰めたいなら物理。
生命現象のリアルを掴みたいなら生物。
藤沢校では、文理選択や科目選択を「得意・不得意」だけでなく、
学問の構造と将来の方向性から一緒に整理していく。
安易な選択を避けて、自分にとって一番効率の良い科目構成をつくってほしい。
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