神聖ローマ帝国【世界史】
更新日 : 2025年10月22日

神聖ローマ帝国について、概要を整理します。
成立と特徴
- 成立:962年、オットー1世がローマ教皇から戴冠を受けて「ローマ皇帝」となり、神聖ローマ帝国が始まりました。
- 特徴:実態は「帝国」というより、ドイツ・オーストリア・イタリア北部を中心にした領邦国家のゆるやかな連合体でした。
- 名前の意味:
- 神聖=教皇からの権威を得たことを示す。
- ローマ=古代ローマ帝国の継承者であることを強調。
- 帝国=皇帝の存在が全体をまとめる象徴。
政治体制
- 皇帝は選挙で選ばれる「選挙王制」で、7人の諸侯(選帝侯)が皇帝を選びました。
- 皇帝の権力は弱く、各地の諸侯・都市・騎士団が独立性を強く保ちました。
- 特に「金印勅書(1356年)」以降は、諸侯の権利が制度的に強化されました。
歴史の流れ
- 中世初期(10~12世紀)
- オットー朝・シュタウフェン朝の下で一時的に強大化。
- イタリア政策(ローマ・北イタリア支配)に力を入れるが、都市や教皇と衝突。
- 中世後期(13~15世紀)
- 皇帝権の衰退。諸侯や都市が自立。
- 金印勅書で「選挙帝政」が確立。
- 近世(16~18世紀)
- ハプスブルク家が皇帝位をほぼ独占。
- 宗教改革(ルター)と三十年戦争(1618–48)で帝国は分裂。
- ウェストファリア条約(1648)により、諸侯が外交権を持つ「主権国家」に近づく。
- 解体(1806年)
- ナポレオンの圧力下でフランツ2世が皇帝位を返上。
- 以降、オーストリア帝国とドイツ諸邦に分かれていく。
意義
- 中央集権国家にはならなかったが、ヨーロッパの「多様な政治体制の共存」を長期間維持。
- ドイツの地域文化や都市の自治を育んだ。
- 「ヨーロッパの統合」と「権力の分散」の原型として、近代ヨーロッパ史を理解するうえで重要。
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